台風の目

2017.07.05 (Wed)




私は
小学校の校舎の二階の
渡り廊下の手すりに掴まったまま
空を見ていた。

黒い雲の天幕が
東へ移動しながら
まん丸に空いた宇宙の入り口を運んできて
私の真上に
遠くて深い完璧な青い空が広がった。

そしてそれはまた
雲の天幕に呑み込まれていった。






それは、
あまりに古い記憶で
本当に経験したことなのか
誰かの話を自分の経験に
すり替えてしまったのか、
もう事実が分からなくなってしまっている。


台風3号が
私の住む町の真上を通る進路予想図を見た。

被害は絶対に無いほうが良い。
不安な時間を過ごす人たちが
たくさんいることを思うと
被害の有無の結果に関わらず
不謹慎で口にするのも憚られる。


でも
チョット期待してしまった。
もう一度見て見たかったのだ。





台風3号は
私の町の50キロ南を駆け抜けて行き
台風の目を見ることはなかった。

私の町では
川が氾濫することもなく
静かなで平和な夕方がやってきた。


被害に遭われた町のみなさんには
心よりお見舞い申し上げます。




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