音楽と猫

2011.06.21 (Tue)
雨の中、

フジコ・ヘミングさんのコンサートに行った。






10年以上前になるだろうか。


NHKで放送された

フジコさんのドキュメンタリーを見た。


ピアノが占領したアパートの部屋で

ただただ、ピアノを弾き、

猫に語り、

時折絵を描いている。


人生に欲はなく、

ただ、

生きている限り、弾いている。

弾いているから、生きている。


複雑な環境も

どん底の暮らしも

みんな受け止めて。





そんな

彼女の奏でるピアノが

生で聴いてみたいと思っていた。





チケット代は高かったが、

チャンスは一度だけだ、と思い

迷わなかった。







「ラ・カンパネラ」で意外にも泣いてしまった。



ピアノを聴いて涙を流したのは

たぶん、生まれて初めてだ。



そんな自分にちょっと戸惑いがあったが、

後で聞くと、

隣の席の姪も 泣いていた。







楽譜に正確に

技巧的に磨かれたものをめざしている

優秀なピアニストに

彼女は 

うけないのかもしれない。



音楽を学問として論じている大学の先生に

評価されないかもしれない。




でも間違いなく

彼女の「ラ・カンパネラ」は

私の心の奥の

深いところを震わせるものだった。




たぶん、


彼女はピアニストではなく、


芸術家なのだ。



ピアノを生業にしたというだけでなく、


自分の言葉も ため息も


愛も涙も哀しみも喜びも 


全てを


人生を


ピアノに傾けてきた


魂の叫びなのだ。









  『人生の艱難辛苦から 逃れる道は 二つある。 音楽 と 猫 だ。』   A.シュバイツアー








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