昭和の美徳

2011.06.29 (Wed)
小さい白いにわとりは

みんなに向かって言いました。

「この種、誰が蒔きますか?」

ブタは いやだ といいました。

いぬは いやだ といいました。

ねこも いやだ といいました。

眠いですから


小さい白いにわとりは

一人で種を蒔きました。


   

小さい白いにわとりは

みんなに向かって言いました。

「この麦 誰が刈りますか?」

ブタは いやだ といいました。

いぬは いやだ といいました。

ねこも いやだ といいました。


あとにしてください


小さい白いにわとりは

一人で麦を刈りました。


   

小さい白いにわとりは

みんなに向かって言いました。

「この麦 誰が挽きますか?」

ブタは いやだ といいました。

いぬは いやだ といいました。

ねこも いやだ といいました。

いまいそがしいです


小さい白いにわとりは

一人で粉を挽きました。




   

小さい白いにわとりは

みんなに向かって言いました。

「このパン 誰が焼きますか?」

ブタは いやだ といいました。

いぬは いやだ といいました。

ねこも いやだ といいました。


暑いのキライです


小さい白いにわとりは

一人でパンを焼きました。


    

小さい白いにわとりは

みんなに向かって言いました。

「このパン 誰が食べますか?」

ブタは 食べる といいました。

いぬも 食べる といいました。

ねこも 食べる といいました。

えっ?パン?


小さい白いにわとりは、

みんなに分けてやりました。


  


    



私が、たぶん小学校一年生か二年生のころ、

国語の教科書に

こんな話が載っていた。


登場人物の犬が牛だったとか、

「水撒き」のくだりがあったとか、

若干、記憶違いがあるかもしれない。

とにかく

最後には、怠け者の仲間にも

ちゃんと公平に分けてあげる

博愛精神に満ちた にわとりさんの話しだ。


これは「昭和の美徳」だったのだろうか?



平成の今の世に

この「小さい白いにわとり」を教科書に載せるとしたら、

小学一年生ではないような気がする。

高校生のホームルームの時間の教材だとしたら....


仲間と話し合い、食べるための作業ステップを 合理的に分担し、
協力することを 提案すべき。
困難な道ではあるが、やる気のない人とも話し合い、
理解し合い、協力しあうという道を選ぶべきだった。
そうすれば、最後にみんなが笑顔で
「労働の喜び」を味わうことができるのではないか。
ボランティアや貧困国への援助などにおいても
単に「与えてお終い」というのでは、与える側の 慈善的偽善だ。


なんてことに、なるのかもしれない。


もし、私の会社の

モチベーションや

コミュニケーション力アップのセミナーの材料だとしたら、



最初から、小さい白いにわとりは 仲間を「やる気」にさせるための
努力をするべきだった。
チームのベクトルを合わせ、目的に向かって
個々のモチベーションの温度差なく 創造的に取り組めるように
リーダーシップが発揮されてこそ、目標は達成しうる! 
 

とかなんとか 言われそうだ。



かく云う 私自身は

小さい白いにわとりほど、

博愛精神に富んだ奴でも

リーダーシップを発揮できる奴でもない。

単純に 

ブタやねこに 「文句」が言えない奴。


「分けてあげない」という選択で

意地悪な自分になりたくないという

ただ、自分の都合。


同意が得られないことに

多少腹は立っても、

わかる奴にはわかるはずだ、なんて

「俺の背中を見て学べ」的に

黙々と一人で実行するタイプ 

なのかもしれない。



結局、揉める事も

説得する事も上手じゃなくて、めんどくさい。

挙句に 

「やさしくて便利な人よね」という評価を

得るのが関の山なのかもしれない。





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