時間が止まった場所

2015.03.03 (Tue)




赤レンガに惹かれて
ここまでやってきた。





忘れ去られたような町にたどり着くと
そこを支配する「ぬるい」空気に包まれて
私は穏やかな気分になる。





昭和に取り残されたままの町に
生まれ育った私の
ココロの波長と合う。
それが理由のすべてだと思う。





明治時代、
製糸業で繁栄した町は
国内に何千もあったという。





産業の転換機を逸した町は
昭和を迎え衰退の一途をたどる。
私のふるさとも
そういう町の一つだ。


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でもこの場所は特別だった。

私は
撮りたい衝動に
突き動かされるように
シャッターを切る自分に驚いていた。





歪んだガラス
潰れたままの倉庫
残された蛇口





錆びて歪んで
打ち捨てられたようでもあるのに
私の眼を釘付けにする
光を放つものたち





シュールレアリスムの絵画のような
非現実的にも思える構図の中に
ちりばめられた
人の営みの残骸たちが
超現実的な使徒となって
私に語りかける。


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汗も涙も
苦悩も歓喜も

この場所には
間違いなく
たくさんの
無名の命の証がある








『廃墟マニア』
そういう言葉があるらしい。



私の衝動は
そういうジャンルに属している
ということなのかもしれない。



いやいや

遺し保存することに
最大の努力をした人たちと
復興を目指して今も
最善の道を模索する人たちに
敬意を表して補足しておく。




ここは
廃墟ではない。




赤レンガを緻密に積み上げた壁と
木の柱で作られた
その大きな建物は
創建当時の日本の
近代化の夢と実現への道程を
140年の時間を超えて伝えてくれる
一番新しい
我が国の「世界遺産」なのだ。







つまり、
時間が止まってしまった場所が
好きなんだね



友人に言い当てられてしまった。









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