2016.01.18 (Mon)


強風の中
百舌鳥もカモメも
どこかしら楽しそうに見えた。
大人たちが眉間にしわを寄せて
肩をすくめている雪の日に
雪合戦をして、あるいはソリ遊びをして
はしゃいでいる子供のようで。

帰り道、
あえて海辺の道を選んだ。

それは
盆地育ちの私にとって
初めて見る怒りの海だった。






目線より高くなったかと思うほど
膨らんで盛り上がった海面。

映画のオープニングとか
サスペンスドラマの
殺人が密かに実行される
崖っぷちとか
四角い画面の中でしか見たことのなかった
怒涛。

波は三角に尖るんだ。

葛飾北斎という人が
写真もビデオもない時代に
怒りの波の
一粒一粒の形まで描いた
富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」を
今さらながら
凄い観察力だとリアルに思えた。

カーブを抜けるたびに
防波堤のむこうから
大きな波が頭上高く、
「わーっ」と飛び出してくる。

お化け屋敷の中、
人が通るたびに驚かすのが役目の
白いシーツを被った「お化け」のようだ。

雨も雪も降っていないのに
ワイパーを動かしっぱなしの
海岸線。

昨夜のバイトで
オレンジを何個も絞って
4杯連続で作った
カシスオレンジのような
拗ねた色の雲が割れて
ペテロの階段が降りて来た。

光の中に走りこんだ私は
金色になった。

嵐の中の、眩しい夕陽。







明日は雪になるらしい。










トラックバックURL
http://oserashi.blog79.fc2.com/tb.php/564-956a19f8
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top