あどけない話

2011.04.21 (Thu)
智恵子は東京に空が無いといふ、

ほんとの空が見たいといふ。

私は驚いて空を見る。


福島は晴れてる?

桜若葉の間にあるのは、

切つても切れない

むかしなじみのきれいな空だ。

どんよりけむる地平のぼかしは

うすもも色の朝のしめりだ。

智恵子は遠くを見ながら言ふ。

阿多多羅山の山の上に

毎日出てゐる青い空が

智恵子のほんとの空だといふ。


あどけない空の話である。


                 ー智恵子抄ー 高村光太郎 新潮文庫より引用


空が好き♡

私は、子供のころ
智恵子抄にはまっていた時期があります。


空を見上げる、クウの写真を見て
この詩を引用しようと思いつきました。


引用のために、
本棚から取り出してきた新潮文庫は
なんと¥140
昭和49年1月の発行。

読み返していて
驚きの発見をしてしまいました。



智恵子は
現在の福島県二本松市の生まれ。

阿多多羅山(あたたらやま)は
現在の安達太良山。

地図を開くと
毎日のように耳にする「南相馬」という町を
まっすぐ西にたどったところにあるようです。

日本の百名山に数えられる1700mの山。

たぶん
智恵子にとってそうだったように、
平成に生きる福島の
二本松はもちろん、近隣の
南相馬や浪江町の人たちにとっても
故郷の誇り高きシンボルの山。

雪を頂いて
美しく輝いているのでしょう。

もし、
智恵子が生きていたら
ふるさとの
この福島の惨劇を
なんと、言葉にしたのでしょうか。





                       
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コメント
高村光太郎の詩は
(多分、学校でも習った筈なんでしょうが???)))
殆ど!?いや、全くと言ってよい程覚えが無く…
誠にお恥ずかしい限りです(__lll

ただ【阿多多羅山】と言う詠みの響きだけは、
大人になってから、妙に耳の奥に残ってます…
なんでかな???(なんでか分からんけど)))

彼の作品には疎いのですけれど、いつだったか、
何かの記事で読んだ事があったんですが、
戦後、彼が懺悔のように山に篭った生き様…
あれには甚く心が動いたのを思い出します。

PS/空を見上げるクウの写真、なんともえぇ~ですv-218
猿 | 2011.04.22 03:11 | 編集
猿さん、同感です。
戦争は、芸術家や表現者、そしてまともな心の持ち主の普通の人達には、辛い時代だったのでしょう。二度とそんな時代にならないようにしなければなりませんね。
ところで教科書に載っとったんでしょか?
くうかいのかあちゃん | 2011.04.22 18:29 | 編集
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